元気シニアに“婚活熱” 世間体より生活充実
中高年の結婚が増えている。長寿化で定年後の第二の人生も長期化。離別や死別による一人暮らしより、2人で人生後半を過ごしたいと、ますます“婚活”にも熱が入っているようだ。
「参加されたのは初めてですか」
「元気が取りえなんです」
先月、埼玉県志木市のビルの一室で、複数の男女が一対一に分かれ和やかに話していた。ひとり親支援などに取り組むNPO法人「彩愛会」主催の出会いの場「婚活ふれあい会」だ。
彩愛会は二〇〇八年、若者を対象に想定して「ふれあい会」を開始した。福田敏夫代表理事は「シニアからの問い合わせが多く、熟年部(男性五十歳以上、女性四十八歳以上)を〇九年から始め、二百人いる会員の七割がシニア」と話す。
参加二回目の女性(55)は「息子は結婚していて、大学生の娘も将来独立するから、寂しいなと思って」。六十四歳の男性は「職場では、相手を紹介する立場だし、こういう機会がないと出会いがない」と参加理由を話す。
中高年は新たな出会いの機会が少なくなりがち。そこで結婚相談業者などを積極的に活用する。彩愛会に参加する五十代の女性は「社会勉強のつもりで、いろいろな相談所のパーティーとかに行っています」と笑う。「ある集まりでは、参加者に八十代の男性もいて驚いた」
五十年前から活動する中高年専門結婚相談所「茜会」でも、一九九〇年代の初めのころは事務所前を行ったり来たりしてやっと訪れる人が多かったが、今はためらいがないそうだ。同会の川上喜彦さんは「世間体を気にして我慢した昔と違い、寂しいから相手を探したいというのは健康な考え。それに、今のシニアは若くて元気」と話す。
中高年は苦手と思われがちなインターネットの出会い探しサイトも盛況。そのひとつ「マッチ・ドットコム」でも、会員約百万人のうち五十歳以上は一割を超え増加中だ。
婚姻数も増えている。厚生労働省の人口動態調査によると、二〇〇八年の五十歳以上の婚姻件数は男性約二万七千件、女性約一万三千件で、ともに一九九〇年の約二倍。男性では初婚も増加傾向だ。
積極的な“婚活”の背景には、中高年の結婚への考え方の変化があるようだ。中高年専門結婚相談所「アイシニア」の池田淳一代表は「結婚は家と家ではなく、個人と個人との結び付きという今の時代を反映している」と指摘する。
埼玉県内の会社員男性(57)は、「マッチ・ドットコム」で九州在住の女性(52)と知り合い、昨年結婚した。「おいしい料理をつくってくれるし、旅行の相談もできる」と個人の生活が充実したことを喜ぶ。
ただ、中高年の結婚は、複雑な思いを持つ子どもへの配慮や財産相続などの問題も絡む。事実婚や同居をしない通い婚を選択するカップルもいる。結婚情報サービス会社「サンマリエ」の三沢矩子さんは「お互いの生き方、考えを尊重でき、譲り合えることが大切」と助言する。
伴侶を見つけられるか、最後は自分次第のようだ。ある結婚相談業者は「一回会ってだめだとすぐあきらめてしまう人もいる。合う人はいるので、本人があきらめないかどうかがカギ」と話す。
出典:中日新聞 2010年3月3日
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2010年03月10日 06:03
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